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手紙

その季節に合わせた心情や季節感を表現する「季節のあいさつ」は、四季のある日本ならではの文化として生まれました。

季節感あふれる言葉を手紙の冒頭に添えるのは大切なマナー。礼儀正しい印象を相手に与えます。

手紙

手紙を送る場合、すぐに本題から書き始めるのではなく、頭語に続いて書き添えるのが礼儀。そして相手の安否を尋ね、自分の安否や無沙汰へのお詫び、日ごろの厚誼に感謝する挨拶などを入れます。

ネットの普及によって電子メールやSNSでのやり取りが多くなり「手紙を書く」という行為が薄れていっています。いざ必要に迫られたときに「今の時期はどんな挨拶を書けば良いの!?」と困らないよう・・月別の一覧をご用意しました。

季節のあいさつ・月別の一例

※「〇〇〇の候」という部分は、「〇〇〇の折」または「〇〇〇のみぎり」でもかまいません。

1月・新春(初春/大寒/寒冷)の候
・松の内の賑わいも過ぎ
・穏やかに年が明け
・春が待ち遠しい今日この頃
・厳しい寒さが続きますが
2月・向春(残寒/余寒/春寒)の候
・立春とは名ばかりで
・春まだ浅く
・梅の便りも聞かれるこの頃
・三寒四温とはよくいったものですが
3月・早春(浅春/春分/解氷)の候
・春光穏やかな時節
・春とはいえまだまだ寒さが残り
・桜のつぼみも膨らみ
・ひと雨ごとに春が近づき
4月・陽春(春爛漫/桜花/清和)の候
・いよいよ春たけなわです
・桜も満開となりました
・やさしい春風が吹き始めました
・まだまだ花冷えのする季節です
5月・新緑(晩春/若葉/向暑)の候
・若葉の緑も清々しいこの頃
・風薫る五月
・爽やかな五月晴れの毎日
・緑したたる時節
6月・初夏(入梅/梅雨/麦秋)の候
・梅雨冷の寒い日が続きますが
・ひと雨ごとに紫陽花も鮮やかになります
・今年は空梅雨ですが
・降り続く雨に木々の緑も深まる今日この頃
7月・盛夏(大暑/猛暑/酷暑)の候
・蝉の声に厚さを覚える今日この頃
・日ごとに暑さが厳しくなりますが
・うだるような暑さが続いていますが
・いよいよ夏到来です
8月・晩夏(残暑/立秋/向秋)の候
・残暑厳しき候
・暦の上では秋になりましたが
・厳しい暑さが続いておりますが
・夜空に秋の気配を感じる頃
9月
・初秋(新涼/清涼/秋晴)の候
・夕暮れの涼風は秋を思わせ
・さわやかな秋晴れが続いています
・日ごとに秋が深まってまいりました
・ようやく朝夕はしのぎやすくなりました
10月・秋冷(紅葉/菊香/初霜)の候
・秋たけなわなこの頃
・菊薫る季節となりました
・実りの秋を迎えました
・いよいよ紅葉の季節です
11月・晩秋(暮秋/霜秋/落葉)の候
・初霜の便りも聞かれます
・朝夕めっきり冷え込むようになりました
・落ち葉が舞い散る季節です
・秋の気配がいよいよ深まり
12月・初冬(師走/冬ごもり/歳末/年末)の候
・いよいよ冬将軍の到来です
・寒さも本格的になってまいりました
・今年も残り僅かとなりました

季節のあいさつを用いない場合も

手紙の書きだしには季節のあいさつを入れるのがマナーですが、以下のような場合は逆に失礼になってしまう事もあるので注意が必要です。

  • 不祝儀の通知(お悔みの手紙や葬儀の通知)
  • 病気見舞いの手紙
  • お詫びの手紙
  • 急用を知らせる手紙

手紙・季節のあいさつまとめ

いかがでしょうか。一覧はあくまでも一例です。ポイントを押さえつつ、自分らしい季節のあいさつを添える事ができれば素敵ですね。

それにしても日本って・・・作法やら嗜みやら、なにかと面倒な事が多いです。

しかしそのぶん、日本独自の風情や味わいもあります。

年々そういった日本文化が薄れていっていますが、素敵な部分はできるだけ残しておきたいものですね。